BL ボーイズラブは「男性差別」と言う滑稽さ
ボーイズラブは「男性差別」で、男性の権利を毀損しているから気に食わないなどの批判はかなり滑稽である。そして、男性差別のBL表現は男性を傷つけているなどと言うのは何か。これは、男性同性愛者という指摘をしたくないホモフォビアが色濃いと言っていい。そもそも、BLは建前上は男性同性愛者を描いているのに、異性愛者の男性に対する権利侵害などというのは、ゲイの存在を無視したい異性愛の男の心理が透けて見える。
このサイトでも、腐女子がゲイに対する差別発言をしていることなどを言っている。
それは、同性愛者の男性が社会的少数派で、異性愛者の多数派の女たちから差別されているから問題だと言っているのだ。つまり、権力がある既存の勢力から、少数派が差別されているから問題なのだ。それを、女から差別される男性がBLに描かれているなどと言って、男性差別ばかり言うなど、鈍感な異性愛の男の発言にすぎない。
BL批判をするのは、異性愛者で健常者の男たちというこの社会での権力側を擁護するためではない。同性愛者の男性の権利が毀損されて価値が低くみられてきた歴史と現実があるから、BLと腐女子とBL作家と、それらを持ち上げるメディアを批判しているのだ。BL批判を一般の男性に置き換えて、男性差別と喚きたてる古臭い手法はこう言えば分かりやすいか。
黒人の男性への人種も絡んだ差別問題を一般の男性への差別に摩り替えて、白人の男たちが「俺たちが差別されている」と黒人男性差別を回収して、人種の観点を抹消することだ。こう言えば、さすがに気付くのではないのか。BLは男性差別ではなく、BLで腐女子が行ってきたゲイ差別があるから批判されているのである。
男性同性愛という言葉を発したくないホモフォビアの心理から、男性差別と言ってしまう一般男性の発露を見ると、やはり、男性差別と言う時の胡散臭さを感じる。このサイトでは、女性差別の胡散臭さと男性差別の胡散臭さも批判しているのは、どちらも、多数派が少数派を抑圧するのに都合よく使ってきたからだ。
反省の女性学とはに、当サイトの反省の女性学の趣旨を書いています。
2016年2月掲載