「草食男子」と社会ダーウィニズム

草食系男子は似非科学にも書いたが、草食男子は現在版の社会ダーウィン主義(社会進化論)である。

新宅広二『すごい動物学』には、「「草食動物=草食男子」説を検証する」という項目がある。そこには、ウサギが2、3秒もあれば子供を作ってしまうことや、繁殖力の高さから「ネズミ算」ということ、鹿の雄は角で雌獲得のために命がけの闘いをすること、完全なベジタリアンのオランウータンのレイプ紛いの派手な交尾など、「性豪」たちの大半が草食動物であることが書いてある。草食動物は大繁栄の一方、肉食系動物が絶滅の危機にあることも書いてある。

自然界をその時代の人間の恣意性に任せて解釈をすることで起こったのが、社会ダーウィン主義だ。草食男子は、まるで正反対の意味を持たせて、一見弱弱しい草食動物という仮面を若い男たちに当てはめている。そして、していることは、最近の若い男たちは覇気がなく、女性に積極的でなく、女性のほうが肉食系で元気があるとまるで意味が分からないことを言っている。草食動物のほうが大繁殖で元気でセックスレスではないし、絶滅しそうな肉食系動物のほうが覇気がない。

この草食男子珍説は、最近の男たちに収入がないのはその若い男たちに原因があると自己責任で思わせて、上の世代に反発させないように操縦している(つもり)なのである。それに、男女平等を誤った安易なジェンダー論で、女性のほうが元気という徴のために草食男子珍説が出来ている。女性へのアファーマティブ・アクションの悪用とも言える。本来の意味では、草食動物に類似した草食男子で元気な若い男たちと、肉食動物に類似した肉食女子でおとなしい若い女たちで、元来の意味に戻すと、生物学的、歴史的に言われてきたことと同じである。

草食男子珍説によって、覇気がない若い男たちは叩かれる存在というのは、社会ダーウィン主義が行ってきた優生思想と似通っている。しかし、頭が悪いのは、草食動物は元気で覇気があるので、必死に草食動物になぞらえて若い男たちを批判しているつもりでも、本来の意味では若い男たちは覇気があり、絶滅して死にそうな肉食系の上の世代はくたびれているとなるわけで、一体全体、ここまで正反対の意味で貶めているつもりの頭の悪さは何だろうか。

こんな低レベルだから、社会学やジェンダー、フェミニズム界隈は馬鹿にされるわけで、実際に、社会ダーウィン主義に繋がることも分からず、草食動物の強い繁殖力に類似した若い男たちは性欲がなく、女性に積極的でないという意味不明なことばかり言って、こいつらは一体何を言っているのか?と思うばかりである。

草食系男子は似非科学 疑似科学

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2016年6月掲載



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