駐日デンマーク大使館の偏狭なナショナリズム

駐日デンマーク大使館のtwitterは、デンマークがいかに優れているかばかりを言っている。

https://twitter.com/DanishEmbTokyo

そのツイートを見ていると、デンマークでの問題は一切言及せずに、自国がいかに寛容かと称賛ばかりしているのだ。駐日デンマーク大使館のツイートを見ていると、だんだんとこれは北朝鮮に似ているのではないかと思ってしまうほどだ。デンマークは、以前からレイシズムの性格があると批判されてきた。最近はその化けの皮がすっかり剥がれてきたが、それについての言及も一切なく、デンマーク万歳ばかりをツイートしている。

デンマークも含めた北欧が何かと人権先進国のように言われるが、これは歴史的経緯と福祉国家の性格を見誤ったものだ。高福祉国家は、国民を選択する度合いが強まるものだ。高福祉国家は偏狭なナショナリズムが勃興しやすいという性格も持つ。デンマークでは、少数与党にデンマーク国民党の意見を吸い上げている。難民の資産を没収したり、デンマーク市議会で給食に豚肉食を義務化させる法案が可決した。特に、豚肉の義務化は悪質である。

これは、実質的にムスリム排除法案だ。自ら、ムスリムを引き寄せておいて、都合が悪くなると排除する。それなら、抗議するのなら、政策の失敗をしたデンマーク人に抗議するべきで、ムスリムはデンマークの政策に翻弄されている側だ。デンマーク大使館は、デンマーク本国では、このようなムスリム排除が着々と進んでいることを一切ツイートせずに、デンマーク万歳、デンマークはこれだけすばらしいとばかりツイートしている。

問題はムスリムだけではない。北欧には、東欧からの労働者の流入もあるが、その東欧の人たちに北欧諸国は酷い仕打ちをしてきたことも忘れてはいけない。スウェーデンがした東欧人に対する仕打ちも酷いものだ(これは、デンマークが報道していたが)。要するに、北欧が言っている「人権」なるものは、その国で認められ、選別された者に対する人権である。高福祉国家は、国がこれだけの福祉を与えてやるという姿勢が強くなり、国民を選択する度合いが強くなるので、国民に適わない者には排除の方向に向かう度合いも強くなる。

デンマーク国民党も問題だが、デンマーク社民党の党首で首相もしていたヘレ・トーニング=シュミットが、ミートボールはデンマークの伝統食だから保育園で提供し続けないといけないとか言い出して、ミートボール戦争と言われだした。そもそも、デンマーク社民党はデンマークの左派政党と名乗ってはいるが、デンマーク国民党の政策にも賛成しているし、難民の資産没収の件でも賛成している。デンマークでは、デンマーク国民党の支持率が急上昇しているが、そもそも、デンマーク社会民主党は日本のリベラル勢力が理想としている北欧の左派政党ではない。

こういったデンマークや北欧のことは、今までの日本のリベラル勢力が言ってきたこととは相反する面もあり、ややこしく複雑な性格も持つので、日本での報道があまりに少なすぎる。だから、駐日デンマーク大使館の自国万歳ツイートを称賛するのだ。すっかり騙されていることも分からず、デンマークはすばらしい、寛容な国だと思い込む。北欧の現実は、寛容性など大してないにも関わらず。日本のリベラル勢力に力がないのは、散々言われてきたが、リベラルと言いながら、緊縮財政を志向するという経済音痴もあるからだ。

しかし、緊縮財政に金融緩和反対に、そして、消費増税まで志向するというまるで小さな政府志向が「リベラル」と持てはやされるのは日本くらいで、世界各国のリベラル勢力は経済政策の面では、日本よりはまともである。しかし、それでも、北欧のリベラル政党も、全体主義による排除という性格を色濃く持つものだ。駐日デンマーク大使館は、デンマーク国民党の支持率が急上昇し、そして、実は左派と言われる社民党もデンマーク国民党の政策に親和性があるという不都合な真実にいつまで目を背けるつもりか。

男女平等で女性の地位が守られていると北欧を称賛するのは、自分勝手に移民と難民を呼んでおいて、都合が悪くなると用済みにするのは、その女性たちも用済みにすることだが、それについてはどう思うのか。移民で定着して住んでいる女性たちも、デンマークを含めた北欧ではかなり軽んじられているが、それが北欧が考えるジェンダー平等の正体だ。

反省の女性学とはに、当サイトの反省の女性学の趣旨を書いています。

2016年1月掲載



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